日本武道館で行われたザ・フーのライブを見てきました。
凄かったね。元々、このグループはピート・タウンジェントのハイパーテンションギターとキース・ムーンのクレイジードラミングの組み合わせが唯一無二で、2人のアクションはホントにブチ抜けてた。
それにジョン・エントウィッスルの超速ベースが絡まってスゲー音になるから、どうしてもロジャー・ダルトリーのボーカルが霞んでた。普通のグループなら強力な歌声だと思うんだけどね。
ところが、キース・ムーンは早々と78年に死んじゃったし、エントウィッスルも数年前にこの世から消えた。
生き残ったのは2人だけだし、なんかキャラクター的に寂しい感は否めないが、それでも凄かったよ。
特に、タウンジェントの存在感というか、ギターを弾いている時のテンションというか、ギターリストのエンターテイナー性では今もナンバー1なんじゃないだろか。
必ずガツンと弾いて、風車式に右腕をブン回して盛り上げるポイントがあって、これが毎回飽きがこない。
もちろん、若い頃の軽やかさはないよ。昔みたいに強烈に高さのあるジャンプを見せて弾くシーンはないし。
でも、何と表現したらいいのか、タウンジェントのギターには、今も見ている観客を鼓舞したり、挑発したり、何か聴いているこっちの体の奥にあるマグマを目覚めさせる力があるんだよ。
全盛期のように、ギターをたたき壊してオシマイというのもなかったけど、満足した。
フーにめちゃくちゃ詳しいわけじゃなくて、知ってる曲は「キャント・エクスプレイン」「マイ・ジェネレイション」「無法の世界」「ピンボールの魔術師」と、あと2、3曲(タイトルがわかんなかったりしてね)あるくらいだけど、それでも熱さが伝わってきて曲を知らなくても十分に堪能できた。
実は、ダルトリーもビデオやDVDを見ているよりも複雑にマイクをブン回したり、体に巻き付けてほどいたりして、それはそれで面白かった。
並みのグループならあれも見せ物になる気がしたよ。
オレはボーカル指向なんで、ダルトリーもしっかり見ていたんだけど、タウンジェントが見せるロック魂というか、心意気に比べると、どうしても劣る。
タウンジェントが現役バリバリのギターなのに比べると、ダルトリーのマイクアクションはスピード感がなくて、何かかったるかった。80ン歳のおっさんの伝統芸でも見てる感じね。
かっこいいんじゃなくて、ガンバッテた。
ボーカルも、ちょっとノドにきてて、途中からガラガラ声がヒドくなっちゃって、かなりキツそうだった。
声を張り上げるハードロックを60すぎてやるのは、かなりキツイということを証明してみせたって感じかね。
まあ、曲によってはタウンジェントもボーカルをとってて、それはさすがにギタリストのボーカルなのよ。それと比べると、ダルトリーの方が年季が入っているのは歴然としてて、ボーカル一筋はやっぱ違うぜって思わせるものはあったよ。
タウンジェントに話を戻すとね、このギタリストはやっぱ、特別だよ。
オレはボーカルなんでそう思うんだけど、極端な話がバックバンドはちゃんと音出しててくれればそれでいいのよ。
でも、そのオレが聴いても、タウンジェントのギターは魅力的なのよ。このギターと一緒に飛びたいと思うわけ。
たとえば、クラプトンのように独壇場のソロというのが極めて少ない。
凄い目立つギターなのに、バンドのアンサンブルを大事にしていて、仲間全員で盛り上がっていくというようなノリなのよ。
ガーーーーーーンと思いっきり音が出ていて、注目を一心に集めているのに、それにアオられて他のメンバーがむちゃくちゃ動き出す。いや、動かざるを得ない気にさせてしまう。
タウンジェントがいてこそのキース・ムーンであり、ジョン・エントウィッスルだったということをオレは実感したね。
ダルトリーファンには申し訳ないが、ピート・タウンジェントがいる限り、史上最強のライブバンド、フーは不滅です。


by 玉井哲
明太子に豚骨三昧ダーッ