吉田拓郎のヒット曲20曲がスクリーンに登場する上映中の映画「結婚しようよ」は、アットー的に50~60代のおっさん、おばさんが多いわ。いつも足を運ぶ観客層とは違うけど、夫婦連れもけっこういてさ、なんかのーんびりした雰囲気が会場中を包んでいるような感じで新鮮でした。
まあ、それぞれ10代の頃に拓郎を聴いて衝撃を受けた人たちだと思うけど、それぞれに思い入れのある曲が何曲か、それとも全曲なのか、あったみたいね。
オレはロック野郎だったし、当時はなんでも万遍なく聴く奴っていたのかな? ロック派、フォーク派、ジャズ派、アイドル派って別れていたよーな気がするな。
ただ、そんなオレでも「今日までそして明日から」はよく覚えてる。
いわゆる初めて聴いた字余りソングで「なんだ、こりゃ?」って思ったもんだよ。 そうはいっても、ロック野郎だからさ。この映画観て感動したのは、挿入歌の数々じゃねーんだな、これがやっぱり。
物語は見てのお楽しみでさ、オレは実にくだらねーことに感激しちゃったんだよ。表題のように、藤澤恵麻って女優がソバ(せいろのやつね)を食うシーンが、2回くらいあんの。
そん時に、モノの見事にズ、ズズッ、ズーーーッていい音たてて食ったんだよ。これ、褒めてんだよ。
女とはソバ食いに行かないよ、オレは。なぜなら、ジュル…ジュルルル…とか遠慮がちな音しか出さないから。「ソバがくさるから、もっと勢いよく食わんかい!」って、ひとこと言いたくなっちゃって、イライラするから行かないの。
恵麻ちゃんとだったら行きたい。実話、女とソバ食いに行きたいと思ったのは初めて。
いい食べっぷりだよ。ちょっと、ソバを取りすぎるとこと汁をドップリつけすぎるとこが荒削りではあるが、それが、可愛いとか、微笑ましいと思える食い方だよ。
こんな感じでソバ食う女って、オレは見たことないんで、素直に驚いた。「いるんだ、こんなヤツが! こいつとなら一緒に食いてぇ」って、心底思った。ソバの食いっぷりがよくて出演が決まったんじゃねーかと思えるくらいだって。
ソバって、出てきてものの3分もすると、ノビ始めるじゃん。だから、せいろの場合は特に、目標3分なのよ。そのくらいでサッと食わないと「ソバに申し訳ないだろ」ってタイプなの、オレは。
オレの記憶に間違いがなければ、酒をチビリチビリやりながらソバを食うよーな絵柄がテレビに映ってたりすると、とてもじゃないが信じられない。ソバ食いながら酒飲むなって。じゃなくて、酒飲みながらソバ食うな、か。
それから、汁にドップリつけるのは粋じゅねーよーなこと言うヤツがいるけど、実際、そこそこのソバ出すとこの汁って、辛いんじゃね? ソバの香りも楽しもうと思ったら、礼儀作法とか粋とか以前に3分の1もつけたら十分だって。
とにかくね、ちょっといじりたい部分はあるが、恵麻ちゃんのソバの食い方にはポテンシャルを感じました。いい音出すよ。あの音、思い出すと食いたくなるもん。
「結婚しようよ」は、そこんとこもよろしく。


by 胡素無麗
たけしの新作のB級度はなかな…